2002/12/03(Tue)


「さっき寝たと思ったのに・・・」睡眠時間3時間ほどで帰国日を迎えた。ラナイへ出ると、正面の海は夜のとばりに包まれたままで、点滅を繰り返す赤と青のランプだけが闇に浮かんでいる。視線を左に移すと、東天には太陽・月についで3番目に明るい天体"明けの明星"(金星)が独擅場のように輝いていた。

12月初旬の朝5時過ぎだというのに、ラナイでもTシャツ・短パンで十分な暖かさ。やはりハワイの気候はイイよなぁ。ラナイの椅子に座りタバコを吸っていると、ワイキキ沖をホノルル空港へ向けて飛んでいるジェット機の陰が見えた。

シャワーを浴びたあと、冷蔵庫に1本だけ残っていた缶ビールを取り出し再びラナイへ。冷えたビールがノドにしみる。「これは絶対風邪引いた」でも、どうせ日本へ帰るだけなんだからイイや。(実際、帰国してから3週間ほど風邪直らず)

ビールを飲みながらラグーン・タワーのペントハウスへ目をやると、昨晩同様に煌々と明かりが付き、中では人が動いているのが見える。もしかしたら、泊まっている人たちはオールなんですか?

この時間はまだカヌーズが開いてないので、プリンス・ホテルのロビーにある「マリーナ・フロント・カフェ」で朝食の買出し。ここは昨日カミさんが5時30分オープンであることを単独偵察中に確認していた。

人通りが途絶えているアラモアナ・ブルーバードをプリンス・ホテルへと歩き、エントランスを入る。すぐ右手のカフェでは、すでに1人の女性が開店直後の準備で忙しそうに立ち振る舞っていた。

ショーウィンドウを見ると、マフィンやスコーン・サンドウィッチのほかに、おにぎりやいなり寿司などが揃っている。「けっこういろんな種類あんね」何にしようか迷ったすえフルーツがのったパン2種類と、本日のコーヒーというバナナ・フレーバーのコナ・コーヒーを注文。女性店員の優しい笑顔とともにパンとコーヒーの入った袋を受け取った。

少しだけ東の方向が明るくなってきたような空を見ながら、ヨットハーバー沿いの小道を歩いてホテルまで帰る。2日前カヌーズのバッフェで取ってきておいたヨープレイトを冷蔵庫から出し、買ってきたばかりのコーヒーやパンと一緒にラナイのテーブルへセッティング。

「そんじゃ、いただきまぁす」真正面の空はまだほとんど真っ暗なままだけど、ダイヤモンドヘッド方面の空は確実に白み始めてきた。シンプルだけど美味しい朝食を味わいながら、4日間好天に恵まれたことを密かに感謝していると「イリカイは良かったね」と、まだ暗い海を見ながらカミさんが言った。

「でもオアフはもうイイかな」6年ぶりに行ったハワイ島がやはり壮大だったからか、はたまたヒルトンの施設が楽しませてくれたのか、確かに8月のハワイ島に比べるとやや物足りない感があったのも否めない。これからは、ハワイへ行き始めた頃のようにネイバーアイランド中心に滞在してもイイのかな。最後にコーヒーを飲み終える頃は、漆黒だった正面の空にも群青色が混ざるようになってきていた。


チェック・アウトのために7時前に部屋を出てフロントへ降りていく。にこやかに対応してくれたLynneさんにお礼を言い、正面玄関へ歩いてベルマンにタクシーを呼んでもらう。待ち構えていたようにすぐ横付けされたタクシーに一瞬だけ待ってもらい、ベルマンに2人の写真を撮ってもらおうっと。「気をつけて」爽やかなベルマンの笑顔に後押しされ、ボクらが乗り込んだタクシーは静かにアラモアナ・ブルーバードへ滑り出して行った。

後ろから朝陽を浴びながらハイウェイをひた走る車内には、ビバルディの「四季」が流れている。「ハワイは楽しかったですか?」日本語の堪能なドライバーさんに旅の思い出を話していると、20分ほどでホノルル国際空港日本航空チェックイン・カウンター脇に到着。なぜ帰りはアッという間に着いちゃうんだろ。

出発前、11月にハワイ島へ行っていた岩田(ホノルル珍道中日記1参加メンバー)から「出発時刻の3時間前には空港へ行っておいた方がイイ」というアドバイスがあったけど、まだ7時30分だというのに確かに搭乗客が多い。果たして、これからどのくらい手続きに時間がかかるんだろ。一服したあと、スーツケースのX線検査を済ませ係員の女性にチェックイン状況を聞くため話し掛けた。

「JL75便のチェックインはまだ始まってないんです」えっ、マジっすか?ちょっと早かったのかな。柱の横にスーツケースを置いて少し離れたところにある灰皿へ移動してタバコを吸っていると、同じように75便のチェックインを待つ数人の人たちがボクらのスーツケースの周りに集まってきた。ボクらの左で列を作って並んでいる人たちはツアー客なのかな。

2本目のタバコに手をかけようとすると女性係員から合図があった。チェックイン開始のようだ。待っていた3組がいくつかのカウンターにバラけたので待ち時間はゼロ。「座席を変更してもらいたいんですけど」この時期の便だったらそれほど混んでいないでしょ、と事前予約席の変更を申し出ると「本日75便は満席のため申し訳ありませんが・・・」美しい日本語と満席という言葉に驚きながら、瞬く間にチェックインは完了した。すっごくあっけなく済んだチェックインは嬉しいんだけど、他の人たちはなんであんなに並んでいるんだろ。頭の中が?で一杯になりながら手荷物検査場へ進んだ。

10分ほど並んで無事手荷物検査も通過。現在の時刻は8時5分過ぎ・・・と言うことは、搭乗時刻まで2時間もあるんですけど・・・。チェックインするのに数十分並ぶよりはイイけど、空港内でもすることがないのも困っちゃうなぁ。カミさんと1時間後に待ち合わせをして、とりあえず喫煙エリアがある通路へ歩いていく。ここにベンチでもあれば楽なんだけどなぁ、と思いつつスポットインしている飛行機を見ながらタバコをくゆらすか。

ノドが乾いたのでビールを売っている店を探しながら14-23ゲートに通じる通路に移動すると、着陸する飛行機が見えるのを発見。座ってタバコを吸いたい気持ちを持ちながらも、相変わらず石の手すりに肘をついて続々と到着する飛行機を見続ける。着陸したリゾッチャの機体が逆噴射の轟音を発したのとほぼ同時に「トイレはいいけど、すぐに戻って来いよ」という声が後ろから聞こえた。

ヒマ潰しに声のした方へ歩いていくと、制服を着た修学旅行生らしき数十人の男女が体育座りをしていた。礼儀正しく座っているのはイイけど、逆にそれがものスゴク異様に感じるんですけど。それにしても、高校の修学旅行でハワイへ来れるなんて羨ましいよなぁ。

いったんカミさんと合流すると、ランチョンマットを買っていた。「まだ全部見終わってない」というカミさんを再び構内に解放し、ボクはまた喫煙エリアの通路へ逆戻り。日本航空74便・72便と無事に着陸したのを見ていると、すぐあとにF14の4機編隊が2機ずつ轟音を残しながら離陸をしていった。


バックパックにいれてあるミネラル・ウォーターを飲んだあと時計を覗くと、いつの間にか9時30分になろうとしていた。再びカミさんと合流してノンビリと29ゲートへと向かう。機内食までまだ数時間あるので、ゲート脇のワゴンで売っているホットドックとコーラを買い、外の通路に出てほんのちょっとだけ腹ごしらえ。

10時にゲートインすると、ほどなく搭乗案内のアナウンスが流れた。それにしても、やはりものスゴい人なんだよね。こんなに混むんだっけ、この時期って。今回も身体検査を受けるのかよぉと少し構えながら進むと、運良く直前の男性が係員に呼ばれてチェックをされている。この隙に進んじゃいますよ。

無事に機内へ入って32DEへ着席。周りは静かそうな人たちなんで、このフライトも安心できそうだね。いつものようにバックパックからミネラル・ウォーターや本を前座席のポケットに移し、バックパックは頭上のボックスへあげちゃう。さぁ、これでこっちの離陸準備は完了。飛行機の方はどうかな。

機内へ乗り込んで20分ほどが経った10時41分、プッシュバック開始。タキシング中のアナウンスでは、機長はベネットさん、シニア・キャビン・アテンダントは大富さんとのこと。往路の76便同様、機材・人員はJALWays(以下JO)で担当している。それより何より、今日の札幌便がキャンセルになってこの75便に振り変わったらしい。だから満席だったんだね。ギャフン。

数機の離陸待ちをしながら機体はようやくランウェイに入り、エンジンをスタビライズさせるためにいったん止まる(スタンディング・テイクオフ)。個人的には、ランウェイに入る前にスタビライズさせてそのまま滑走をするローリング・テイクオフよりは好きなので、なんかちょっと安心。(って書くと、いっぱしのパイロットみたいでしょ?)

エンジン出力が上がっていく音を聞いていると、いきなり機体が走り出した。滑走路の繋ぎ目を拾うショックを数回感じていると、急に滑走音が聞こえなくなる。10時58分、約8時間20分後の成田を目指して悠然と離陸をした。

離陸後20分ほどでドリンクサービス。JOのクルーはイリカイ・ホテルで何度も目にしていたのも手伝って好感が持てるんだよね。今日の担当キャビン・アテンダント(以下CA)はヌイさん。ちょっとクールな眼差しがイイねぇ。いつものようにビールとスカイタイムで乾杯。はぁ、ビールが美味いっつーの!

「おかわりはいかがですか?」気が利くヌイさんに甘えてビールをおかわり(どっちにしてもおかわりしたけど)。今のところ順調な飛行を続けていて全く揺れはなし。イイよ、このまま頼むよ、ベネット機長。機内食は、ボクが和食でカミさんは洋食をチョイス。よかった、今回は品切れでなくて。

「ヌイさん、ご飯がよく解凍されてないんだけど」もう1本ビールのおかわりをして鶏照り焼きご飯のフタを開けると・・・端の方のご飯が解凍されていなかった。ちょうど通りかかったヌイさんに再解凍をお願いすると「申し訳ございません」と丁重にお詫びを言われやや恐縮。まぁ、機内に積み込む時のご飯の状態がわかったのは収穫・・・かな?

ハワイ時間で12時30分だからなのか、メチャクチャ腹が減っている。再度解凍してもらった鶏照り焼きご飯や茶そばなどを完食するとやっと人心地がついた。さて、4本目のビールにしようか、それとも違うのを飲もうかな、と考えているつもりだったのに、気がつくと2時間くらいが過ぎていた。最近このパターン多し。

"ポン"目が覚めてすぐにシートベルト着用サインが点灯。ボーとしたままとりあえずシートベルトを確認していると、CAも着席してシートベルトを締め始めた。あまり揺れないとイイんだけど、という願いが通じたのかさっぱり揺れが起こらない。ほどなくサインが消えてみんな肩透かしを喰ったような気になっていると、急に機体が揺れ始めてサインが再点灯した。

8月のハワイ島往復・今回の往路ともほとんど揺れを感じなかったんで、すごく久しぶりに揺れに遭遇したという気がする。シニアCA大富さんから「15分ほど揺れが続くものと思わせます・・・」というアナウンスがあったが、確かにちょっとした揺れが20分ほど続く。

成田空港到着まであと1時間55分、というアナウンスが合図のように、リフレシュメントの細ウドンと杏仁豆腐が配られ始めた。「めんのつゆはかけてお召し上がり下さい」と書いてるあるままに食べると・・・あまり味がしない。でも、何もしないでいるのに腹は減っているのでこれも完食。ごちそうさまでした。

ビンゴが始まる直前にまた揺れ始める。今後も揺れが予想されるとアナウンスがあったけど、今日は気流が悪いんだね。さぁ、シートベルトは締めたままだしビンゴ・ゲームに集中しましょうか。今日も何かもらって帰れるかな?

グゲェェ、ビンゴが始まったのはいいけど、5・6個続けて全然番号がない。これじゃ今日はムリじゃん、と思い始めたとたん、いきなり番号が合ってきた。おっ、おぉぉリーチじゃん!どうしたの急に。でも早いリーチはなかなかビンゴになんないんだよね、と思ったら・・・機内最初のビンゴをゲッチュー!イヤッホー!!

「あっ、私もビンゴ!」しばらくするとボクに続いてカミさんもビンゴ!「おめでとうございます」CAから渡されたのはボクがTシャツと迷ってやめたリゾッチャのフォーク&ナイフ・セットだった。「結局2人でもらっちゃったわけか」どういうわけか、ボクらはJALビンゴをゲットする確立が高い。

高度を下げていた14時(日本時間)過ぎ、シートベルト着用サインが点灯し着陸まで20分とアナウンス。東京の天気は曇り・気温は9℃と続く。ついさっきまで短パンTシャツでいたのがウソのように感じるんだよね。と言うか、東京は冬だということを忘れていただけかな。

10分ほど着陸待ちで上空待機ののち、許可が出たのか機体は再び降下を始めた。14時27分にギア・ダウン。窓側に顔を向けると、雲の中を飛んでいるのか白い霧しか見えない。はぁ、もう着いちゃうのか、と感傷的になっていると機体の抵抗が一段と強くなったように感じた。いよいよ着陸だ。


14時34分、8時間36分飛び続けた機体は無事に大地へ帰った。「戻られてからお疲れが出ないようお気をつけ下さい」大富シニアCAのアナウンスが流れるなか、機体は指定されたスポットに向けてタキシングを続けている。「もうイイでしょ」と思うほど長くタキシングを続けて、ようやくスポットに到着。

「曇りとかじゃなくて雨降ってるじゃん」機体からターミナルへ入って外を見ると、ガンガンに雨降ってるんですけど。どうしていつも機内で聞く天気と違うんだろ。ハワイでの好天が羨ましくなって、足取りも急に重くなっちゃうよ。

「あっ、こんなところに」入国審査場へ向かう通路の横に、喫煙エリアを発見。あとは帰るだけなんで慌てることもないし、ちょっと一服させてください。10時間ぶりのニコチンが体に入ったとたん、足の力が抜けたようになる。「やっぱ久しぶりの一服は効くねぇ」少しラリったような状態を引きずって審査場へ歩き出した。

5分ほどでイミグレをおえバゲッジ・クレームへと向かうエスカレータからターンテーブルを眺めていると、ボクのスーツケースが早くも流れているのが見えた。「今日は早いじゃない」ほどなくカミさんのスーツケースもターンテーブルに現れ、トントン拍子に入国完了。今日はタイミングいいね、と浮かれていたら、リムジン・バスは出たばかりで次の便まで45分待ちだった。アクッ

「うっわぁ、吐く息が白いじゃん」空港施設から出て喫煙エリアで一服。電光掲示板には14.8℃と表示されているが、体感温度はもっと低く感じる。Tシャツにスウェットでは肌寒さを感じながらタバコを吸っていると、コンチネンタル航空のマーク機長が傍らにやってきてタバコを取り出した。「コクピットは禁煙じゃないんだよね?」聞こうかどうか迷っていると、雨が一段と強くなった。少しだけ気温が下がったように感じた。

Mahalo!

『ホノルル珍道中日記6 オアフ島の大空を翔る』(2003/03/12)


8月にハワイ島へ行ったせいか、今回はかなり気分的にゆとりを持って過ごせたような気がします。いつもだったらビーチにいるだけで満足なくせに「どこそこへ行っておこうか」などと考えることもあるんですが、今回は面倒なんで何も考えないようにしました(笑)。もちろん、ルネッサンス・イリカイがワイキキの喧騒とは隔絶している、というのも大きな要因でしたけど。

それにしても、久しぶりにネイバーアイランド(ハワイ島)へ行ったり、オプショナル・ツアーに参加して標高4,200mの世界から夕陽や星空を見たり、自分で飛行機の操縦桿を握ってオアフ島を一周したり、と2002年のハワイ旅行は今までになく楽しいハワイを過ごせたような気がします。

10数年前にハワイへ行き始めた頃は、まずどの島へ渡ってどんなオプショナル・ツアーに参加するか、から考え始めたものなのに、いつの間にか両方とも疎遠になってしまって。でも、この2つを数年ぶりに体験したら、以前いつもハワイで味わっていた"感動"が甦ってきて嬉しくなりました。

ってことで、次回からはボクにとっての原点に戻り、ネイバーアイランドでマッタリしながらも1日くらいはオプショナル・ツアーで刺激や感動を味わっていこうかな、と考え始めています。ただ、そうなると「"ホノルル"珍道中日記」じゃおかしいか、と、つまらないことが気になっちゃったりして(ホノ珍5でバックれてるからイイね・笑)

なお、いつも最後までお読みいただいた皆さんには大変感謝してます!もう今回は短く要点だけ、と思いながら結局ダラダラダラ・・・・。いい加減読むのもイヤになるでしょうが、まだまだこれからもお付き合いいただければ幸いです。次回ホノ珍7は少しでも短くするようガンバりますので!!m(__)m


マハロ♪